沖縄本島中部に位置する、うるま市の山城地区。周囲を緑に囲まれた小高い丘に広がる約1万坪の茶畑で、沖縄県で唯一、県産茶葉を100%使った手摘み紅茶を生産している。
沖縄の太陽が紅茶をおいしくする
「意外かもしれませんが、一年を通して暖かく、紫外線が強い沖縄は、紅茶作りにはとても適しているんですよ。茶葉を発酵させて作る紅茶は、たくさん紫外線を受けた茶葉のほうが味に深みが出ますから」と話すのは、沖縄紅茶農園代表取締役の山城直人さん。緑茶専門農家の三代目として生まれた山城さんは、子どものころ父親から「作るなら緑茶より紅茶がいいぞ」と聞き、18歳のとき、当時まだ沖縄ではほとんど知る人がいなかった紅茶作りのノウハウを学ぶことを決意。静岡や沖縄で約9年間の研究ののち、2007年2月には紅茶専用農園として法人化。同年9月から農薬を使わず栽培した県産茶葉100%の手摘み紅茶「山城紅茶」の本格的な販売をスタートさせた。
100%手摘みだからこその奥深い味わい
「適した場所で適したものを作ることはとても大切。おいしいものを無理なく作れるし、環境にも配慮できますから」。祖父の時代から農薬を使わない茶畑の土壌で、沖縄の太陽を浴びて育った茶葉を手摘みで収穫。農園内で新鮮なうちに加工する。「機械での刈り取りに比べて100倍もの時間がかかりますが、必要な部分だけを人の目で見分けて摘み取った紅茶は格別の味わいです」と山城さん。飲んでみると、なるほど、雑味がなく紅茶本来の香りと味がぞんぶんに感じられる。現在、山城紅茶は味と香りが異なる4タイプがそろう。
沖縄を紅茶の島にしたい
夢は、沖縄で紅茶作りを盛んにして、世界の紅茶フリークの人々に、“沖縄のヤマシロ”を指名してもらったり、実際に産地に足を運んでもらえるような島にすること。紅茶名をあえて地区名にちなんだ「山城紅茶」にしたのも、「産地名が茶葉の名称になったダージリンやアッサムにならって」と目を輝かせる。さらにできるだけ紅茶作りに関わる人はすべて沖縄の人たちでと考え、完全メイドイン沖縄の紅茶作りを目指している。「沖縄に山城紅茶あり」。そんな日が近い将来やってくるに違いない。
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