はじめまして。
嬉しいご紹介を頂き、今月のこのページを書かせて頂くことになりました、多和田えみです。
皆さんいかがお過ごしでしょうか。
さて、あれはもう4月の事になりますが、アメリカ南部巡礼の旅に行ってきました。事の始まりはニューオリンズで開催される「New Orleans JAZZ
& Heritage Festival」。
これにど~~~~~~~~しても行きたくて、ついに決心。だとしたら、このタイミングで南部を巡礼して思いっきり音楽の旅にしちゃおう。そう思ったのがきっかけでした。
成田を出発し、まずはデトロイトに一泊してモータウンミュージアム見学へ。
そこからいよいよサウスに突入。ニューオリンズ、メンフィス、さらにクラークスデール。
アメリカ南部にはいつか絶対に行こうとは思っていましたが、それにしても今回旅するにあたっての色んなタイミングのはまりかたといい物事の運ばれ方には、やはり目には見えない何かによって確実に導かれているような、とても不思議な感覚がありました。
実際行ってみても、楽しいことばっかりじゃなく、もう、ここで話すには収まりきれないような、結構ぉー命懸けのハプニングに見舞われたりもして(笑)。
とにかく、私自身愛してやまないJAZZ・BLUESのルーツ・ミュージックやSOUL
MUSICといった音楽が生まれ育まれる場所でその深い歴史を辿り、それらをさらに魂と肉体とで思いっきり感じられた、まさにスピリチュアルで運命的な旅になったのです。
ニューオリンズではお目当てのジャズフェスとその土地を堪能しました。
実はこのニューオリンズ滞在中に、私のメジャーデビュー1周年記念の日も重なっていて、そんなタイミングにここで過ごせていることが本当に感慨深い思いでいっぱいでした。
私が宿泊していたホテルのある観光地のバーボンストリートは、夜になるとすっかり賑わっている印象でしたが、少し離れた場所やお昼にクルーズィングしたミシシッピー川沿いの町並みには、4年前に受けたカトリーヌハリケーンによる傷痕がやはりまだ多く残っているようでした。そんな中で街に流れるJAZZや人々の笑顔に、何とも言えない光と影も感じてしまいました。
次に訪れたメンフィスでは雰囲気が一変。夕方前でまだ明るいのに、道沿いを歩く人影があまりない。明らかに賑やかじゃない感が漂っていました。
ホテルにチェックインしてから、数々のソウルマンを世に送り出したサザン・ソウルの名レーベル「STAX」のミュージアム見学や各地をドライブなどして、夜は観光地であるビールストリートでSOULとBLUESのライヴを体感。
そして次の日、メンフィスから車でミシシッピー州のクラークスデールへ。
そこに向かう道のりに見えるのは、ただただ広がっている大地。それは季節外れの綿花畑でした。
さらに車を走らせ遂に辿りついた、BLUESの故郷といわれるクラークスデール。
この町の閑散とした雰囲気はメンフィス以上になんだか切なくて、もはや言葉も出ませんでした。
そこに佇むデルタブルース・ミュージアムには、BLUES誕生の歴史から歴代のブルースマンについて、数々の楽器や写真がいくつも展示されています。
後にBLUESが生まれるきっかけとなる、当時の奴隷制によって苦しみながら生きた人々が紡いだ労働歌・フィールドハラーのことと、ここへ向かう途中に通り過ぎた綿花畑や、今や静かにそこに横たわっているだけの古い線路などの景色がリンクして、また何とも言えない気持ちになりました。
メンフィスを後にして日本に帰ってきてからも、この旅のことをずっと考えていました。
何かこう、心にずっと引っかかってるものがあるような気がして。そしてある瞬間、今回の旅で私が見たものは「魂」なんじゃないかって、ふと思ったのです。
それぞれの土地が抱える歴史の中で生きた、あるいは生きている魂なのかも知れないと。
この旅で目のあたりにしたものは、決して、光輝くだけのものじゃなかった。
涙と笑顔。苦しみと悲しみ、喜びや怒り、幸せと痛み、失望と希望。あらゆる心の動きを剥き出しにしたそれは、どうしても、美を表現するためだけのアートとは違うように思えて仕方がなかった。
そうか、だから音楽なんだ。だから、音楽だったんだ!
この南部巡礼の旅で、求め合えることのありがたみを改めて実感しました。
だから自分のためだけじゃなくて、必要としてくれている誰かに与えていきたい。その気持ちに自信を持とう。そう思いました。
でもやっぱり人間だから、時に自分自身では何かを見れなくなる瞬間もあるかも知れない。
だからその時には、大事なことを気づかせてくれる、思い出させてくれる存在に感謝をしよう。
その存在はきっと、人と呼ばれていたり、自然と呼ばれていたり、はたまた音楽と呼ばれていたりするんだろう!